年末調整は、給与計算業務の中でも特に複雑で、限られた期間内に膨大なタスクをこなさなければならない重要業務です。特に中小企業では人事・総務のリソースが限られている中で、通常業務と並行して年末調整を進めるのは大きな負担となります。
この記事では、年末調整の基本的な流れと時期ごとのタスクを分かりやすく解説します。忙しい担当者の方でもすぐに活用できる内容になっておりますので、年末調整業務を円滑に進めるためにぜひお役立てください。
年末調整とは?
年末調整とは、毎月の給与支給時に源泉徴収された所得税と、実際に1年間で納めるべき所得税との差額を、年末に精算する手続きです。
具体的には、従業員が提出する各種申告書(扶養控除申告書、保険料控除申告書など)に基づき、最終的な課税所得と所得税額を再計算し、差額を12月分の給与または賞与で調整します。
年末調整の全体スケジュールとやることリスト
年末調整は、「準備」「書類回収」「計算」「還付・徴収」「法定調書提出」の大きく5つのステップに分かれます。以下に、各ステップでやるべきことと、目安となる時期を整理しています。
1. 事前準備(10月〜11月初旬)
やること:
- 今年の年末調整に必要な情報・法改正の確認
- 対象者(年末調整を行う従業員)のリストアップ
- 書類作成ツール・クラウドシステムの整備
- 従業員への説明資料の準備
ポイント:
毎年のように年末調整に関わる制度の改正があります。特に扶養控除や住宅ローン控除、保険料控除に関する変更があった場合は早めに周知しましょう。
2. 書類の配布・回収(11月上旬〜中旬)
やること:
- 「扶養控除等申告書」「基礎控除申告書」「保険料控除申告書」「住宅借入金等特別控除申告書」などの配布
- 書類記入のサポート(記入例の提供など)
- 提出状況の管理、未提出者への督促
ポイント:
書類の回収が遅れると、以降の作業すべてに影響します。できる限り11月中旬までに全員分を回収できるようスケジュールを管理しましょう。
3. 年末調整の計算業務(11月下旬〜12月中旬)
やること:
- 各申告書の内容を給与ソフト等へ入力
- 控除額の確認
- 所得税の再計算、過不足の確認
- 給与明細への反映(12月給与または賞与)
ポイント:
ミスが許されない工程です。社内チェック体制を整えるか、業務アウトソーシングも視野に入れてリスクを減らしましょう。
4. 還付・追加徴収(12月給与支給時)
やること:
- 差額に応じた還付金または追徴税額の給与天引き処理
- 明細への記載・従業員への説明
ポイント:
「なぜ還付されたのか」「なぜ追徴されたのか」といった従業員からの問い合わせも多くなる時期です。FAQを用意するなどして対応効率化を図りましょう。
5. 年明けの対応(1月〜)
やること:
- 源泉徴収票の発行(1月31日まで)
- 法定調書合計表の作成・税務署への提出
- 市区町村への給与支払報告書の提出
ポイント:
法定調書や給与支払報告書の提出漏れは罰則対象です。期日管理をしっかり行いましょう。
よくある年末調整のトラブルと対策
- 書類の提出遅れ
→ 提出期限を明示し、リマインドメールやチャットで早めのフォローを行いましょう。 - 記入ミス・漏れ
→ 従業員に記入ガイドを提供し、回収後はチェックリストを用いて内容を確認しましょう。 - 社内担当者の人的リソース不足
→ 計算ミスやスケジュール遅延の原因になります。人的リソースに不安がある場合は早めにBPOを検討しましょう。
年末調整を乗り切るために
年末調整は避けては通れない業務ですが、適切な準備とスケジュール管理、そして社外リソースの活用によって大幅に業務負担を軽減することができます。
まとめ
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年末調整は締切厳守が求められる上にタスク量の多い業務です。アウトソーシングサービスを利用し年末調整の業務負荷を減らすことで、コア業務に十分な時間を割くことができます。
メイソンコンサルタントグループ株式会社では、給与・賞与計算はもちろん、年末調整の代行も承っております。書類回収から計算、還付処理、法定調書の作成・提出までワンストップで対応可能です。
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