コラム

給与計算の方法を解説!控除額や年末調整時、退職時などケースごとに紹介

給与計算の際には、厚生年金保険料などの社会保険料や、所得税などが差し引かれます。計算方法を解説するので、ぜひ参考にしてみてください。また、年末調整時や退職時の給与計算方法についても解説します。

給与計算の方法

基本給が決まっていても、毎月の給与額は労働時間や手当によって差が生じます。以下の手順で給与計算しましょう。

  • 1. 労働時間を集計する
  • 2. 時間外労働を集計する
  • 3. 各種手当を計算する

それぞれの過程で何をチェックするのか、簡単に解説します。

1. 労働時間を集計する

まずはタイムカードや勤怠表などから1カ月の労働時間を集計します。この際、必ず1日始まり月末締めと決まっている訳ではありません。例えば、15日締めや20日締め、などの会社のルールに則り、1カ月の労働時間を求めましょう。

2. 時間外労働を集計する

企業ごとに決めた既定の労働時間を超えて働いているときは、時間外労働があったと考えられるでしょう。時間外労働の時間を集計し、加算する金額を決定します。
なお、時間外労働には2つの種類があり、計算方法が異なるので注意しましょう。1つは「法定時間内残業」です。これは労働基準法で定められている1日8時間、週40時間のルール内ではあるものの、企業ごとに定めたルールを超える残業時間を指します。

もう1つは「法定時間外残業」です。これは労働基準法で定められているルールを超えた労働時間を指します。

例えばある日において、10時間仕事をしたとしましょう。企業で定めている労働時間が1日に7時間であれば、法定時間内残業は1時間、法定外残業は2時間と計算できます。

なお、法定外残業については、1時間あたり賃金の25%以上の割増賃金を計算しなくてはなりません。

例えば、月給が24万円で1カ月の所定労働時間が160時間であれば、時間単価は1,500円なので、法定時間外残業では1時間あたり1,875円以上の賃金を払います。

一方、法定時間内残業の賃金のルールは、企業ごとに決めることが可能です。所定労働時間内に支払われる時間単価と同額でも問題はありませんが、所定労働時間外と同じく割増賃金を設定することもできます。

3. 各種手当を計算する

次は各種手当の計算です。通勤手当や家族手当、住宅手当など、各企業のルールに従って加算します。
なお、手当の中には課税対象となるものと、非課税のものがあるので注意が必要です。例えば通勤手当などの交通費に関しては、公共交通機関だけを利用して合理的に通勤している場合は月15万円まで非課税になります。
そのほかにも、赴任手当や出張手当なども非課税対象です。手当を計算する際に課税対象かどうかで分けておくと、後で所得税の計算がしやすくなります。

給与から控除する金額の計算方法

給与計算をした後で、控除額を求めます。以下の5つの金額を求め、合算して給与額から天引きした状態で従業員に支給します。

  • 健康保険料
  • 厚生年金保険料
  • 雇用保険料
  • 所得税
  • 住民税

それぞれの計算方法について解説します。

健康保険料

健康保険料は、加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)や健康保険組合が定める料率に従います。
例えば、東京都の全国健康保険協会に加入している場合であれば、以下の計算式で健康保険料を求めることが可能です。

  • ・満40歳~64歳以外:標準報酬×10.00%×1/2
  • ・満40歳~64歳:標準報酬×11.82%×1/2

満40歳~64歳の方は介護保険料が加算されるため、それ以外の年齢の方よりも保険料が高額になります。例えば月の報酬が37万円の場合、「健康保険・厚生年金保険の保険料率表」によれば、報酬月額は38万円になります。

  • ・満40歳~64歳以外:38万円×10.00%×1/2=19,000円
  • ・満40歳~64歳:38万円×11,82%×1/2=22,458円

(参考)
・全国健康保険協会 │ 「令和5年3月(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」

厚生年金保険料

厚生年金保険料は、年齢によらず一律の割合で求めます。

  • ・標準報酬×18.3%×1/2

例えば、基本給が37万円、標準報酬38万円であれば以下のように求めます。

  • ・38万円×18.3%×1/2=34,770円

雇用保険料

雇用保険料率は、業種によって異なります。

業種 雇用保険料率 労働者の雇用保険負担割合
一般の事業 15.5/1000 6/1000
農林水産業、清酒製造業 17.5/1000 7/1000
建設の事業 18.5/1000 7/1000

雇用保険は以下の計算式で求めます。

  • ・(給与支給額+通勤手当)×労働者の雇用保険負担割合

例えば、給与支給額が38万円で一般の事業であれば、以下の計算となります。

  • ・38万円×0.6%=2,280円

(参考)
・厚生労働省 │ 「令和5年度雇用保険料率のご案内」

所得税

所得税の源泉徴収税額は、給与支給額から、社会保険料や非課税の範囲の通勤手当などを差し引いた金額と扶養家族の人数で決まります。
例えば、給与支給額38万円(通勤手当1万円)、標準報酬月額が38万円で、一般の事業に従事する30歳(扶養家族1名)の場合、社会保険は以下の金額です。

  • ・健康保険料:38万円×10.00%×1/2=19,000円
  • ・厚生年金保険料:38万円×18.3%×1/2=34,770円
  • ・雇用保険料:通勤費含む給与38万円×0.6%=2,280円
  • 社会保険料合計:56,050円
  • 37万円-56,050円=313,950円

313,950円を「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめると、所得税の源泉徴収額は7,230円です。

なお、「給与所得の源泉所得税額表」には甲と乙の2つの金額が記載されていますが、1社のみに勤務している方や2社以上に勤務し、主となる勤務先からの給与に関しては甲の金額をみます。

(参考)
・国税庁 │ 「給与所得の源泉所得税額表(令和5年度)」

住民税

住民税は昨年の所得から計算した金額が各自治体から通知されるので、企業側で計算する必要はありません。通知された金額を毎月の給与から差引します。

特殊な条件での計算方法

通常の給与はご紹介したように基本給と時間外手当、各種手当、社会保険料、所得税、住民税から計算します。しかし、年末調整時と退職時は通常とは異なる計算が必要になるので注意しましょう。それぞれの計算方法を簡単に説明します。

年末調整時

年末調整とは、源泉徴収した所得税額と実際に支払うべき所得税に差があるとき清算する手続きのことです。

所得税に影響が出る控除関連の書類を事前に従業員に配布しておき、従業員が記載して
提出した内容から所得税額を計算し直し、源泉所得税額が多すぎるときは年間の最後の給与で返還します。逆に不足が生じるときには徴収します。

所得税額に影響が出る控除には、以下の種類があります。

  • 扶養控除
  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 保険料控除
  • 住宅借入金特別控除

退職時

退職する月は、基本給を日数分支払うことが一般的です。暦日でも出勤日数でも問題はないので、どちらかに統一して退職月の給与を計算しましょう。

例えば月給が30万円で、月末締めの場合、その月の10日に退職する場合であれば10日間分(10/30)の給与を支払います。また、その月の所定労働日数が20日間で、5日間出勤して退職する場合であれば5日分(5/20)の給与と計算できるでしょう。

給与から社会保険料を控除しますが、社会保険料は日割りができず、常に1カ月の分の保険料を支払っているため、社会保険料を翌月徴収している企業の場合は、退職月は2ヶ月分控除しなければなりません。

また、住民税は去年分を12カ月で割って控除しているので、残額を給与からまとめて控除する、退職者自身が納付用紙を使用して納付するなどの方法で残額を納税します。

退職金を支給する場合は、源泉徴収が必要です。「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は20.42%を源泉徴収して支給します。

まとめ

給与計算は煩雑です。年に一度の年末調整や退職時の計算も決して簡単ではありません。また、従業員ごとに扶養家族や残業時間が異なることも、ミスが生じやすくなる理由の一つです。負担軽減や計算ミスを回避する方法として、給与計算のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。
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