コラム

給与支払報告書とは?書き方や提出する際の注意点、源泉徴収票との違いを解説

従業員や役員に支払った給与額を自治体に申告するための書類が給与支払報告書です。事業主は年に一度作成して提出し、自治体はこれをもとに住民税額を算出します。書き方や提出の際に注意するポイント、給与支払報告書と同じく給与額について記載する源泉徴収票との違いについて見ていきましょう。

給与支払報告書とは

給与支払報告書とは、従業員や役員の給与額を自治体に報告するための書類です。なお、従業員や役員がその年の1月1日時点に居住している自治体に提出するため、広範囲の地域から従業員などが通勤している場合は提出先の自治体数が増えます。

電算処理用給与支払報告書とは?

電算処理用給与支払報告書とは、パソコンで報告書を作成するときに利用する印刷用紙です。給与支払報告書2枚と源泉徴収票2枚が複写式でセットになっているため、書類作成の手間を省くことができます。電算処理用給与支払報告書を使用する場合は、事業所のある自治体に事前に申込みましょう。

現在、書類の電子化が進み、給与支払報告書も紙ではなくデータとして提出する事業所が増えてきました。そのような流れの中、市区町村によって異なりますが、電算処理用給与支払報告書の交付申し込みが締め切られる可能性もあります。電子化に対応できるよう、事業所内でも書類作成の方法を見直していきましょう。

給与支払報告書の個人別明細とは?

給与支払報告書には2つの種類があります。1つは個人別明細で、従業員や役員一人ごとに作成する書類です。氏名や住所、給与額、保険料控除額などについて記載します。

給与支払報告書の総括表とは?

給与支払報告書のもう1つの書類は総括表です。自治体ごとに作成し、提出先の自治体に1月1日時点で居住している従業員や役員の人数、氏名などを記載します。

給与支払報告書と源泉徴収票の違い

給与支払報告書も源泉徴収票も、いずれも従業員や役員の給与額などについて記載する書類で、内容はほとんど変わりません。しかし、目的と提出先、提出対象者が異なる点に注意が必要です。

給与支払報告書は住民税の計算を目的として作成され、従業員や役員が1月1日時点で在住している自治体に提出します。対象者は前年給与を支払った従業員や役員すべてです。

一方、源泉徴収票は所得税の計算を目的として作成され、事業所の本店所在地を管轄する税務署に提出します。対象者は従業員や役員全員ではなく、年末調整の有無や給与額によっては提出義務がない場合もあるので注意しましょう。

給与支払報告書と法定調書の違い

法定調書とは、所得税法や相続税法などの規定により税務署に提出が義務付けられている書類のことです。給与支払報告書は税務署ではなく自治体(市区町村役場)に提出する書類のため、法定調書ではありません。

給与支払報告書の提出が必要な人の条件

給与支払報告書は、前年給与を支払った全員が対象となります。書類作成時点で在職している従業員や役員だけでなく、年の途中で退職した従業員や短期間のみ働いたアルバイトなど、1度でも給与を支払った従業員や役員であれば全員が対象です。

ただし、前年中に退職した従業員や役員については、支払い額の合計が30万円以下であれば提出義務はありません。

アルバイトの給与支払報告書の提出も必要?

アルバイトやパート、正社員、役員など、どの雇用形態であっても給与支払報告書の提出は必要です。ただし、前年中に退職し、給与などの支払い額の合計が30万円以下のときは、提出を省略できます。

給与支払報告書の提出期限

給与支払報告書の提出期限は、報告対象となる年の翌年の1月31日です。ただし、1月31日が土日祝日に当たるときは、翌平日が提出期限となります。

提出期限に遅れると自治体側での住民税の計算が遅れるため、本来は12ヶ月に分けて納付するところが11ヶ月以下に分けて納付することになり、1ヶ月あたりの住民税額が高くなる可能性があるので注意しましょう。また、給与支払報告書を提出しない場合は、事業主や事務処理者に懲役や罰金が課せられることもあります。

給与支払報告書の提出方法

給与支払報告書は、次の方法で自治体に提出します。

  • 窓口に持参する
  • 郵便で送る
  • 電子申請を活用する

それぞれの特徴や具体的な方法について解説します。

窓口に持参する

市区町村役場の窓口に給与支払報告書を持参する方法もあります。この場合は、電算処理用給与支払報告書などを活用して紙の書類として提出するか、CDやDVDなどの光ディスクで提出するかどちらかを選びましょう。なお、新たに光ディスクで提出する場合、自治体によっては、数ヶ月前に利用申請が必要です。

ただし、前々年に提出した源泉徴収票の合計枚数が100枚以上であった場合は、紙ではなく光ディスクでの提出が求められます。正しい形態で提出するためにも、早めに準備を始めましょう。

また、窓口に持参する場合、従業員や役員が居住する自治体数が多いときは提出作業に時間がかかります。郵便で送る方法や電子申請も検討しましょう。

郵便で送る

郵便で市区町村役場の窓口に提出することもできます。この場合も、電算処理用給与支払報告書などを活用して紙の書類で提出するか、CDやDVDなどの光ディスクで提出するかのいずれかです。

また、前々年に提出した源泉徴収票の合計枚数が100枚以上の場合は、光ディスクでの提出が必要です。

電子申請を活用する

eLTAXを用いて、給与支払報告書を電子申請することもできます。前々年に提出した源泉徴収票の合計枚数が100枚以上の場合も、eLTAXによる申請が可能です。

給与支払報告書を提出する際の注意点

給与支払報告書のフォームは頻繁に変更されるため、その年度のものを利用するようにしましょう。また、前々年に提出した源泉徴収票の枚数が100枚以上のときは、給与支払報告書を紙で提出することができません。eLTAX、または光ディスクで提出しましょう。

給与支払報告書の書き方

給与支払報告書の書き方は、個人別明細と総括表で異なります。書き方のポイントを見ていきましょう。

給与支払報告書の個人別明細の書き方

個人別明細の書き方は源泉徴収票とほぼ同じです。記載する内容はどの自治体も同じなので迷わず作成できるでしょう。また、電算処理用給与支払報告書を活用すると、源泉徴収票と同時に作成できて手間が省けます。

給与支払報告書の総括表の書き方

総括表は自治体ごとにフォーマットが異なるので注意が必要です。また、書き方も異なるため、自治体のホームページなどで確認しておきましょう。

まとめ

給与支払報告書は1月末までに従業員や役員が居住する自治体に提出しなくてはいけません。事業者によっては忙しい時期と重なることもあるため、早めに準備しておきましょう。また、自治体ごとに総括表のフォーマットが異なるので、従業員や役員が居住する自治体数が多い場合は手間がかかることもあります。

MASONでは、給与支払報告書の作成を基本サービスで対応しております。個人別明細と総括表の作成から各自治体への送付までトータルで請け負っておりますので、慌ただしい時期も余裕をもって迎えることができるでしょう。また、源泉徴収票や給与明細書の作成など、給与や賞与、年末調整に関わるさまざまな書類作成にも対応しております。ぜひお気軽にご相談ください。

MASONの給与計算アウトソーシングへのお問い合わせはこちら

一覧へもどる

Contact お問合せ

お電話でのお問合わせ

03-5402-8541受付時間: 9:00〜 18:00

メールでのお問合わせ