コラム

給与計算業務のアウトソーシングとは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

はじめに:人事部のリソース不足をどう解消するか?

企業において、給与計算は定期的に発生する重要かつ煩雑な業務のひとつです。毎月の勤怠集計、税金・社会保険料の計算、支払いスケジュールの管理など、ミスが許されない工程が続く中で、限られた人員でこれを回し続けるのは大きな負担となります。
こうした背景を受け、近年では「給与計算業務のアウトソーシング(BPO)」を検討する企業が増えています。本記事では、アウトソーシングの概要とそのメリット・デメリットを整理し、導入の判断材料を提供します。

給与業務のBPOとは?概要をざっくり解説

給与計算業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、給与明細の作成、勤怠データの処理、社会保険料・税金の計算といった業務を外部の専門業者に委託することを指します。完全外注するケースもあれば、一部工程のみを切り出して委託する「部分アウトソーシング」もあります。
特に中小規模の企業では、「業務量が一定以上あるが、人員に余裕がない」「属人化や人材不足に悩んでいる」といった理由から、給与業務のBPOが有効な選択肢となっています。

メリット:給与計算を外部化することで得られる効果

1. 本来注力すべき業務にリソースを集中できる

アウトソーシングによって煩雑な給与計算業務から解放され、時間的余裕が生まれることで、人事戦略・採用・育成などコア業務に注力できます。

2. 急な人員変動時でも業務が滞らない

担当者の急な退職や休職時でも給与処理が止まる心配がなく、業務の継続性を確保できます。

3. 属人化を防止し、引き継ぎの負担が不要に

アウトソーシングにより、担当者の交代や配置転換時における業務の属人化が解消され、マニュアル作成や引継ぎ作業の負担も軽減されます。

4. イレギュラー対応も任せられる

給与計算業務では度々イレギュラーな手続きが発生しますが、そういった場合も外部のプロが対応するため、人事部のご担当者様自ら不明点を関係各所に問い合わせる手間を削減できます。

5. 正確かつ迅速な納品

給与計算の専門スタッフが処理を担当するため、正確な結果を短期間で受け取ることが可能です。ミスや各種手続きの差し戻しリスクも減ります。

6. 社労士が在籍する事業者なら、労務面までサポート

アウトソーサーによっては社会保険労務士が在籍しており、給与計算にとどまらず労務相談や人事制度の見直しといった幅広い支援を受けられる場合もあります。

デメリット:導入前に把握しておきたい注意点

1. 社内に給与計算ノウハウが蓄積されにくい

アウトソーシングに頼ることで、自社内で給与計算の専門性が育ちにくいという側面もあります。将来的に内製化を視野に入れている場合は、その旨をアウトソーサーに共有しておきましょう。会社によっては内製化に向けたサポートを提供している場合があります。

2. 委託開始時に業務移行の手間が発生

BPO開始直後は、業務フローの整理や引き継ぎが必要となり、一時的に社内の負荷が高まる可能性があります。

3. コスト構造に注意が必要

アウトソーサーによって料金体系は異なりますが、社員数やサービス形態によっては割高になるケースも考えられます。複数社から合い見積もりを取り、コストとサービス内容を見極めることが重要です。

4. システム指定がある場合も

一部の業者では、自社指定の給与・勤怠システムへの切り替えが必要な場合があり、既存システムとの互換性や運用変更に伴うコストが発生する可能性があります。

とはいえ、これらの課題の多くは事前の相談やサポート体制によって解決可能です。

まとめ:最終的な判断には、自社の課題整理が重要

給与計算業務のアウトソーシングには、多くの業務効率化と人材活用のメリットがあります。一方で、初期の手間やシステム制約といったデメリットも存在しますが、その多くは一時的なものであり、解決可能な課題です。
「給与業務に追われ、本来注力すべき人事戦略に手が回らない」と感じている企業こそ、今が見直しのタイミングです。
業務の外部化によって得られる“本来の人事部としての価値”に立ち返るチャンスと捉え、ぜひ給与計算のアウトソーシングをご検討ください。

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