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月額変更届は固定賃金の変更時に提出する書類!作成や提出について解説

月額変更届とは、固定賃金が大きく変動したときなどに提出する書類です。どのようなときに提出が必要になるのか具体的に紹介するので、ぜひ参考にしてください。また、提出することで何が変わるのか、出し忘れたときはどうなるのかについても解説します。

月額変更届とは標準報酬月額の変更に必要な書類

月額変更届とは、社会保険料を計算するときにベースとなる標準報酬月額が変わったときに提出する書類です。従業員の報酬額が大幅に変化したときなどには、日本年金機構の事務センターあるいは管轄の年金事務所に月額変更届を提出することが求められます。健康保険組合に加入している場合は、日本年金機構に加え、加入している健康保険組合にも提出します。

月額変更届を提出することは、従業員の生活を守るためにも必要です。例えば、報酬が著しく下がったにもかかわらず以前の報酬額に基づいた社会保険料を控除していると、従業員が受け取れる手取りが不当に減り、生活が厳しくなるかもしれません。

しかし、月額変更届を用いて適切に報酬額の変更を届け出ていれば、下がった報酬額に基づいた社会保険料が控除されるため、適正な手取りを受け取れるようになります。

標準報酬月額とは?

標準報酬月額とは、社会保険料を計算するときに必要な数字です。連続する3ヵ月の報酬を月額で計算し、特定の区切りに従って区分したものを標準報酬月額と呼びます。

例えば、東京都の健康保険においては、報酬月額が63,000円未満であれば標準報酬月額は58,000円、報酬月額が63,000円以上73,000円未満であれば標準報酬月額は68,000円です。このように報酬月額を50の段階に分け、それぞれに標準報酬月額を定めています。

なお、報酬月額の対象となる報酬には、基本給だけでなく通勤手当や残業手当などの各種手当も含まれる点に注意が必要です。また、年4回以上賞与が支給される場合は、賞与額も報酬月額に含まれます。

標準報酬月額から社会保険料を計算する方法については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
社会保険の計算方法とは?保険の種類ごとにシミュレーションで解説

標準報酬月額によって算出される保険料

標準報酬月額から、次の3つの社会保険料を計算します。

  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料
  • 介護保険料

厚生年金保険料は、次の計算式で算出します。

標準報酬月額×18.3%×1/2

報酬月額が40万円のケースでシミュレーションしてみましょう。報酬月額40万円の場合、保険料額表より標準報酬月額は41万円です。厚生年金保険料率は18.3%ですが、労使折半となるため従業員が負担する金額はその半分となり、37,515円(41万円×18.3%×1/2)となります。

健康保険料と介護保険料は合算して算出しますが、介護保険第2号被保険者以外は次の計算式で健康保険料のみを求めます。

標準報酬月額×9.81%×1/2

介護保険第2号被保険者は次の計算式で健康保険料と介護保険料の合計額を求めます。

標準報酬月額×11.45%×1/2

なお、介護保険第2号被保険者とは40歳以上64歳以下に該当する方です。健康保険料も介護保険料もいずれも労使折半となるため、従業員が負担する金額は各料率×1/2となります。

参考:全国健康保険協会「令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

月額変更届を提出する3つの条件

報酬が変わったときであっても、必ずしも月額変更届を提出しなければいけないわけではありません。しかし、次の3つの条件をすべて満たすときは、必ず月額変更届を提出しましょう。

  • 1.固定的な賃金が変わったとき
  • 2.支払基礎日数が17日以上のとき
  • 3.標準報酬月額に2等級以上の変動があるとき

それぞれの条件について、詳しく解説します。

1. 固定的な賃金が変わったとき

月額変更届は、基本給などの固定的な賃金が変わったときに提出します。例えば、基本給は変わらず、時間外労働の手当やインセンティブなどの臨時的な報酬が増えた場合は、大幅な増え方であっても月額変更届を提出する必要はありません。

2. 支払基礎日数が17日以上のとき

一時的に報酬が変わっても、その月の支払基礎日数が17日未満のときは該当しません。支払基礎日数とは給与が発生する日数のことです。日給制や時間給制の場合は、出勤日数が支払基礎日数に該当します。

一方、月給制の場合は、欠勤控除があるかどうかで支払基礎日数のカウント方法が異なるので注意が必要です。欠勤控除がある場合は所定労働日数から欠勤日数を差し引いた日数が、支払基礎日数となります。

欠勤控除なしの場合は、暦日数が支払基礎日数です。例えば、月末締め翌月10日払いであれば、3月分の給与の支払基礎日数は31日となります。

3. 標準報酬月額に2等級以上の変動があるとき

支払基礎日数が17日以上あり、なおかつ基本給が変わった場合であっても、標準報酬月額が2等級以上変動しないときは月額変更届を提出する必要はありません。東京都の標準報酬月額(令和4年3月分(4月納付分)以降)の一部を紹介します。

標準報酬月額 報酬月額
300,000円 290,000円以上310,000円未満
320,000円 310,000円以上330,000円未満
340,000円 330,000円以上350,000円未満
360,000円 350,000円以上370,000円未満
380,000円 370,000円以上395,000円未満
410,000円 395,000円以上425,000円未満

例えば、基本給を含む報酬月額が32万円から34万円に変動したとしましょう。標準報酬月額は1等級しか変わっていないため、月額変更届を提出する必要はありません。

しかし、基本給を含む報酬月額が32万円から35万円に変動したときは、標準報酬月額の等級は2段階変わることになります。その月の支払基礎日数が17日以上であれば、月額報酬届を提出しなくてはいけません。

月額変更届に関するQ&A

月額変更届に関してよくある質問とその答えを紹介します。ぜひ参考にして、正しく月額変更届を作成・提出してください。

Q.変更届はどこに提出する?

月額変更届は、日本年金機構の事務センターあるいは管轄の年金事務所に提出します。健康保険組合に加入している場合は、加入している健康保険組合にも提出します。窓口に直接持っていくこともできますが、郵送や電子申請、CDやDVDなどの電子媒体の郵送でも提出可能です。

Q.いつから新しい保険料が適用される?

連続する3ヵ月の報酬の平均額が2等級以上変動したときに月額変更届を提出することで、翌月から新しい保険料が適用されます。つまり、報酬月額が変動したタイミングから数えると、新しい保険料が適用される時期は4ヵ月目です。

ただし、当月分の社会保険料は翌月に納付するため、実際に新しい保険料が控除されるのは5ヵ月目となります。

Q.電子申請と郵送・窓口申請のどちらが良い?

月額変更届の提出方法には、電子申請と郵送、窓口申請などがあります。どの方法で提出しても問題ないため、利用しやすく便利な方法を選びましょう。

書類の紛失リスクが気になる場合は、電子申請がおすすめです。また以前の月額変更届もすべてデータとして一元管理できるため、管理作業も楽になります。

なお、以下のいずれかに該当するときは、電子申請を義務付けられているので注意が必要です。

  • 資本金、出資金あるいは銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の金額が1億円を超える法人
  • 相互会社
  • 投資法人
  • 特定目的会社

Q.役員報酬が変わったときも月額変更届は必要?

役員報酬は基本給と同じく決まって支払われる報酬のため、標準報酬月額が2等級以上変わるときは月額変更届の提出が必要です。忘れずに提出しておきましょう。

Q.標準報酬月額が変わったときは月額変更届以外に何が必要?

月額変更届を提出し、標準報酬月額の変更が受理されると、日本年金機構から決定通知が届きます。決定通知が届いたら、速やかに該当する従業員へ通知しましょう。

まとめ

月額変更届を提出することで、適正な社会保険料を計算することができます。従業員の手取りにも関わる重要な書類のため、条件に該当するときは速やかに提出しましょう。

また、月額変更届を正確に提出するためにも、従業員の報酬を正確に管理することが不可欠です。データとして管理するならば、報酬月額の変更計算も簡単になるため、標準報酬月額の変動に速やかに気付くことができ、適切なタイミングで月額変更届を提出できるようになるでしょう。

MASONでは、企業様のご要望に合わせた給与計算アウトソーシングサービスをご提供しています。給与計算をアウトソーシングすることで、月額変更届のタイミングも正確かつ適切に気付くことができるでしょう。

また、給与計算アウトソーシングサービスは、報酬月額や標準報酬月額の計算にも活用していただけます。ぜひお気軽にご相談ください。

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