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給与計算の⽅法を解説!控除額や年末調整時、退職時などケースごとに紹介

給与計算の際には、厚⽣年⾦保険料などの社会保険料や、所得税などが差し引かれます。計算⽅法を解説するので、ぜひ参考にしてください。また、年末調整時や退職時の給与計算⽅法についても解説します。

給与計算の⽅法

基本給が決まっていても、毎⽉の給与額は労働時間や⼿当によって差が⽣じます。以下の⼿順で給与計算しましょう。

  • 1.労働時間を集計する
  • 2.時間外労働を集計する
  • 3.各種手当を計算する

それぞれの過程で何をチェックするのか、簡単に解説します。

1. 労働時間を集計する

まずはタイムカードや勤怠表などから1カ⽉間の労働時間を集計します。この際、必ずしも1⽇始まり⽉末締めとする必要はありません。企業ごとのルール、例えば20⽇始まり19⽇締めなどのルールに則り、1カ⽉の労働時間を求めましょう。

2. 時間外労働を集計する

企業ごとに決めた既定の労働時間を超えて働いているときは、時間外労働があったと考えられるでしょう。時間外労働の時間を集計し、基本給へ加算する⾦額を決定します。

なお、時間外労働には2つの種類があり、計算⽅法が異なるので注意しましょう。1つは「法定時間内残業」です。これは労働基準法で定められている1⽇8時間、週40時間のルール内ではあるものの、企業ごとに定めたルールを超える残業時間を指します。

もう1つは「法定時間外残業」です。これは労働基準法で定められているルールを超えた労働時間を指します。

例えばある⽇において、10時間仕事をしたとしましょう。企業で定めている労働時間が1⽇に7時間であれば、法定時間内残業は1時間、法定時間外残業は2時間と計算できます。

なお、法定時間外残業については、1時間あたりの賃⾦の25%以上の割増賃⾦で残業代を計算しなくてはいけません。

例えば、⽉給が24万円で1カ⽉の所定労働時間が160時間であれば時給は1,500円なので、法定時間外残業では1時間あたり1,875円以上の賃⾦を⽀払います。

⼀⽅、法定時間内残業の賃⾦ルールは、企業ごとに決めることが可能です。所定労働時間内に⽀払われる時給と同額でも問題はありませんが、法定時間外残業と同じく割増賃⾦を設定することもできます。

3. 各種⼿当を計算する

次は各種⼿当の計算です。通勤⼿当や宿直⼿当、家族⼿当など、各企業のルールに従って加算します。

なお、⼿当の中には課税対象となるものと⾮課税のものがあるので注意が必要です。例えば通勤⼿当などの交通費に関しては、公共交通機関だけを利⽤して合理的に通勤している場合は⽉15万円まで⾮課税になります。

そのほかにも、宿直⼿当や転勤⼿当、出張⼿当なども⾮課税対象です。⼿当を計算する際に課税対象かどうかで分けておくと、後で所得税の税額計算をしやすくなります。

給与から控除する⾦額の計算⽅法

給与額を計算した後で、控除額を求めます。以下の5つの⾦額を求め、合算して給与額から天引きした状態で従業員に⽀給しましょう。

  • 健康保険料
  • 厚⽣年⾦保険料
  • 雇⽤保険料
  • 所得税
  • 住⺠税

それぞれの計算⽅法について解説します。

健康保険料

健康保険料は、加⼊している保険協会の表から求めます。例えば東京都の全国健康保険協会に加⼊している場合であれば、以下の計算式で健康保険料額を求めることが可能です。

  • 満40歳〜64歳以外:標準報酬×9.81%(※)×1/2
  • 満40歳〜64歳:標準報酬×11.45%(※)×1/2

満40歳〜64歳の⽅は介護保険料が加算されるため、それ以外の年齢の⽅よりも保険料が⾼額になります。例えば基本給が35万円、時間外⼿当が2万円、通勤⼿当が1万円のケースで考えてみましょう。公共交通機関で通勤している場合、通勤⼿当を含む交通費は15万円までの範囲であれば⾮課税になるので課税対象額は37万円です。「健康保険・厚⽣年⾦保険の保険料額表」によれば課税対象額が37万円のときの標準報酬は38万円となります。

  • 満40歳〜64歳以外:38万円×9.81%×1/2=18,639円
  • 満40歳〜64歳:38万円×11.45%×1/2=21,755円

※2022年3⽉分以降(2022年4⽉納付以降)の健康保険料率
参考:全国健康保険協会「令和4年3⽉分(4⽉納付分)からの健康保険・厚⽣年⾦保険の保険料額表

厚⽣年⾦保険料

厚⽣年⾦保険料は、年齢によらず⼀律の割合で求めます。

標準報酬×18.3%(※)×1/2

例えば、基本給が35万円、時間外⼿当が2万円、通勤⼿当が1万円(全額⾮課税)であれば課税対象額は37万円です。「健康保険・厚⽣年⾦保険の保険料額表」によれば課税対象額が37万円のときの標準報酬は38万円のため、厚⽣年⾦保険料は以下のように求めます。

38万円×18.3%×1/2=34,770円

※2022年3⽉分以降(2022年4⽉納付以降)の厚⽣年⾦保険料率

雇⽤保険料

雇⽤保険料を求める雇⽤保険料率は、業種によって異なります。

業種 雇⽤保険料率 労働者の雇⽤保険料負担割合
⼀般の事業 0.9% 0.3%
農林⽔産業、清酒製造業 1.1% 0.4%
建設の事業 1.2% 0.4%

参考:厚⽣労働省「令和3年度の雇⽤保険料率について」

雇⽤保険料は以下の計算式で求めます。

(給与⽀給額+通勤⼿当)×労働者の雇⽤保険料負担割合

通勤⼿当は⾮課税ですが、雇⽤保険料を計算するときは加算するので注意しましょう。例えば、基本給が35万円、時間外⼿当が2万円、通勤⼿当が1万円、⼀般の事業であれば、以下の計算式で雇⽤保険料を求めます。

38万円×0.3%=1,140円

所得税

所得税の源泉徴収額は、給与⽀給額から、社会保険料や⾮課税の範囲内の通勤⼿当などを差し引いた⾦額と扶養家族の⼈数で決まります。

例えば、基本給が35万円、時間外⼿当が2万円、通勤⼿当が1万円、⼀般の事業に従事する3 0歳(扶養家族1⼈)の場合、社会保険料は以下の⾦額です。

  • 健康保険料:標準報酬(38万円)×9.81%×1/2=18,639円
  • 厚⽣年⾦保険料:標準報酬(38万円)×18.3%×1/2=34,770円
  • 雇⽤保険料:交通費を含む給与⽀給額(38万円)×0.3%=1,140円

基本給に時間外⼿当を加え、社会保険料を差し引くと315,451円となります。「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめると所得税の源泉徴収税額は7,350円です。

なお、「給与所得の源泉徴収税額表」には甲と⼄の2つの⾦額が記載されていますが、1社にのみ勤務している⽅や2社以上に勤務し、主となる勤務先からの給与に関しては甲の⾦額を⾒ます。

参考:国税庁「給与所得の源泉徴収税額表(令和3年度)」

住⺠税

住⺠税は昨年の所得から計算した⾦額が各⾃治体から通知されるので、企業側で計算する必要はありません。通知された⾦額を毎⽉の給与から差し引きます。

特殊な条件での計算⽅法

通常の給与は紹介したように基本給と時間外⼿当、各種⼿当、社会保険料、所得税、住⺠税から計算します。しかし、年末調整時と退職時は通常とは異なる計算が必要になるので注意しましょう。それぞれの計算⽅法を簡単に説明します。

年末調整時

年末調整とは、源泉徴収した所得税額と実際に⽀払うべき所得税額に差があるときに精算する⼿続きのことです。

所得税額に影響が出る控除関連の書類を事前に従業員に配布しておき、従業員が記載して提出した内容から所得税額を計算し直し、源泉徴収額が多すぎるときは次の給与に上乗せする形で返還しましょう。

所得税額に影響が出る控除には、以下の種類があります。

  • 扶養控除
  • 基礎控除
  • 配偶者控除
  • 所得⾦額調整控除
  • 保険料控除
  • 住宅借⼊⾦等特別控除

退職時

退職する⽉は、基本給を⽇数分⽀払うことが⼀般的です。暦⽇でも出勤⽇数でも問題はないので、どちらかに統⼀して退職⽉の給与を計算しましょう。

例えば⽉給が30万円で、⽉末締めの場合、その⽉の10⽇に退職する場合であれば10⽇間分(10/30)の給与を⽀払います。また、その⽉の出勤⽇数が20⽇間で、5⽇間出勤して退職する場合であれば5⽇分(5/20)の給与と計算できるでしょう。

給与から社会保険料を控除しますが、社会保険料は⽇割りができず、常に1カ⽉前の保険料を⽀払っているため、退職⽉は2カ⽉分控除しなくてはいけません。

また、住⺠税は去年分を12カ⽉分で割って控除しているので、残額を給与からまとめて控除する、退職者⾃⾝が納付⽤紙を使って納付するなどの⽅法で残額を納税します。

退職⾦を⽀給する場合は、源泉徴収が必要です。退職者が「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合は20.42%を源泉徴収して差額を⽀給します。

まとめ

給与計算は煩雑です。年に⼀度の年末調整や退職時の計算も決して簡単ではありません。また、従業員ごとに扶養家族や残業時間が異なることも、ミスが⽣じやすくなる理由の⼀つです。

負担軽減や計算ミスを回避する⽅法として、給与計算のアウトソーシングを検討してみてはいかがでしょうか。MASONにぜひお気軽にお問い合わせください。

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